加賀百万石の歴史とともに育まれてきた石川県の和菓子文化。金沢だけでなく、加賀・白山・能登・奥能登、それぞれの地域に個性豊かな和菓子があります。今回はそのなかから、とっておきの5つをピックアップ!石川ならではの味わいをご紹介します。
石川県の人は和菓子が日本一大好き!?
■各店で趣向を凝らした上生菓子が楽しめます ©石川県観光連盟
石川県、特に金沢市を観光で訪れる際の楽しみのひとつといえば「和菓子」でしょう。金沢には老舗の和菓子店が数多くあり、どれを選ぼうか迷ってしまうほどです。
「石川県の観光=和菓子」というのは単なるイメージではなく、ちゃんとデータとしての裏付けもあるんです。総務省の家計調査によると、金沢市の和生菓子消費量は栄えある全国1位(2024年)!
この数字からも、金沢がいかに和菓子の街であるかがうかがえますよね。
どうしてこんなに和菓子が人気?歴史に理由が。

■金沢市は、茶道を嗜む人口も全国平均より多いんです! ©石川県観光連盟
そもそも金沢では、どうしてこれほど和菓子文化が発展したのでしょうか。その背景には、江戸時代から続く歴史があります。
金沢は江戸時代、加賀百万石の城下町として大いに栄えました。
この地を治めた前田家は茶の湯文化を積極的に推進し、それに伴って上質な和菓子が発達する環境が整いました。茶菓子への需要が高まる中で、和菓子職人たちの技術も磨かれていったのです。
また、和菓子とお茶を楽しむ文化は武士階級にとどまらず、町人にも広まっていったといいます。やがて人々の暮らしに欠かせないものとなり、それが現代まで脈々と受け継がれているのです。
石川県旅行ではぜひ和菓子をおみやげに。
とはいえ、これほど多彩な和菓子があると、どれを選べば良いか迷ってしまうかもしれません…。石川県の魅力を日々発掘している私たちとしても、正直なところ、美味しい和菓子があまりに多すぎてご紹介しきれない面があります。
そこで今回は、石川県のそれぞれのエリア(金沢、白山、加賀、能登、奥能登)から、ジャンルが重ならないように厳選して1つずつご紹介することに。
みなさんのお土産選びの参考になりましたら嬉しいです!
お茶の時間にぴったり。石川県の和菓子5選
お茶と甘いものでほっこりする時間は、加賀百万石の時代の町人たちもいまの私たちも同じ。心安らぐティータイムに石川県の和菓子をぜひどうぞ。
金城巻 |越山甘清堂(金沢市)

1888年創業の『越山甘清堂』。まさに金沢の菓子文化の伝統を継承する老舗です。
金城巻は、店を代表する看板商品のひとつ。
独特の三角形は天守閣や兜をイメージしたもので、加賀藩主の梅鉢紋を焼き付けて仕上げてあります。まさに加賀百万石の歴史を伝える金沢らしさ満載の和菓子!
黒糖餡と、季節の餡の2種類があります。
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千歳くるみ|彩霞堂(白山市)

大きなクルミに秘伝の糖蜜を絡めた和菓子。クルミの香ばしさと糖蜜のなめらかなくちどけが特徴です。
このお菓子はかつて加賀藩に献上されていたという歴史を持ち、当時の文献をもとに再現したのだとか。
基本は紅白の2色なのだそうですが、こちらは、糖蜜に抹茶・柚子・ココア・ブルーベリー・苺のフレーバーを混ぜ込んだカラフルなバージョン。
伝統の和菓子と現代らしさが融合した、見た目にもかわいらしいお菓子です。
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水羊羹(あずき、加賀棒ほうじ茶)|蕎麦処上杉(宝達志水町)

水羊羹といえば、一般的には夏の甘味。
でも、福井県と石川県の能登地方では、なんと冬に水ようかんを食べる習慣があるんです。発祥は定かではないようですが、家族みんなでコタツに入りながら水ようかんをつつく光景が冬の風物詩として代々受け継がれているのだとか。
こちらの水羊羹は、宝達志水町の蕎麦処の謹製。もともとは食事の後に提供していたものが人気を博して商品化したものです。甘さ控えめで、素材の味わいが存分に楽しめます。
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丸柚餅子|柚餅子総本家中浦屋(輪島市)

柚子の中身をくり抜いたところに秘伝の味付けをした餅だねを詰め込み、しばらく蒸したあとに半年以上じっくりと乾燥させてようやく完成。丁寧に手間暇かけて作られる特別な和菓子です。
ユニークな製法のこの和菓子、もともとは室町時代に保存食として作られたのが始まりと言われていて、加賀藩前田家の料理番に伝わる料理書にもその製法が記されているのだそう。伝統を感じる和菓子をぜひどうぞ。
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絹ころも|小山芳月堂(加賀市)

加賀地方はかつて絹織物の産地として名を馳せた歴史をもつ土地。それにちなんで作られたお菓子がこの「絹ころも」です。
絹のようになめらかな白あんで大ぶりの栗をまるごと一粒ぜいたくにくるみ、サクサクのパイ生地で包んだ上品な和菓子。
作っているのは、加賀市大聖寺で120年以上続く老舗『小山芳月堂』です。加賀の歴史と文化を感じながらお茶の時間を。
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おわりに
石川県の和菓子は、ただのお土産というだけにとどまりません。
ひとつひとつに、その土地の文化や歴史、そして職人のこだわりがぎゅっと詰まった“小さな物語”なのです。
今回ご紹介した5つの和菓子も、地域ごとの個性や技が光るまさに石川の宝物!
石川にお越しになったときには、ぜひ実際に手にとって味わってみてください。美味しさの向こうに、この地に息づく豊かな文化が見えてくるはず。
![]() じのもんライター:中嶋 美夏子 大学進学を機に金沢へ。おいしい食べ物と暮らしに根付く美意識に感動し、日々探求しているうちにいつの間にか十数年が経ってしまった。人々のなにげない日常が撮りたくて、ちょっとしたお出かけでもいつもカメラと一緒。能登からやってきた保護猫とふたり暮らし。 |
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