和菓子の垣根を越えた“お菓子”を届けたい。 『和菓子処中越』の遊び心あふれるお菓子たち
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和菓子の垣根を越えた“お菓子”を届けたい。 『和菓子処中越』の遊び心あふれるお菓子たち

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フルーツがまるごと入った大福。あんこが入ったスイートポテト。
まちの和菓子店の佇まいながら、伝統的な和菓子にとらわれない商品が並ぶのが『和菓子処 中越』さんの面白いところです。

なぜ、このようなユニークな商品づくりを?お話を伺うにつれ、ただ新しいものを作るというだけではない、お菓子への深い愛情が見えてきました。


この時代に愛される和菓子を作りたい。ある日降りてきたアイディア

■住宅地にある、まちの和菓子屋さんです

 

お話をうかがった土平さんは、金沢で続く和菓子屋の三代目。
えんどう餅やおはぎ、桜餅や柏餅…。季節の生菓子を作る家族の姿を見ながら育ったと言います。
「朝作ったものをその日のうちに食べてもらうような生菓子、いわゆる“朝生菓子”と呼ばれるものが、かつてはお店の主力商品でした。ただ、時代が移るにつれてだんだんと売れなくなってしまった。正直、悩みましたね」
そんなとき、土平さんは気づいたと言います。
「いまの時代は、洋菓子屋さんでもきなこやゴマといった和の素材を使ったお菓子がたくさんある。プリンの入ったどら焼きがコンビニに並んでいるのを見たことだってある」
ひょっとして、既存の“和菓子”という枠にこだわりすぎなくてもいいのではないか?
 ーー今後のお店のあり方を大きく変えるひらめきが降りてきた瞬間でした。
「思えば、和菓子も洋菓子も、全部まとめて“お菓子”ですから」
と土平さん。
今は、和菓子屋というより、“お菓子屋さん”という気持ちで作っている、とお話してくださいました。

 

五郎島金時とあんこが出会った和洋折衷の「黄金金時」

■スイートポテトとあんこの絶妙な組み合わせ。日本茶にもコーヒーにも合いそう。


和菓子という枠を飛び越えてみよう!と作られた商品をひとつご紹介。
「黄金金時(こがねきんとき)」という、さつまいもを使ったお菓子です。
使われているのは、石川県特産のさつまいも「五郎島金時」。ほくほくとした食感と甘さが特徴です。
実は五郎島金時を使った和菓子は以前から作っていたのだと言いますが、それは昔ながらの生菓子。多くの人に届けるため、日持ちのする新商品が作りたいと考えました。
そうして試行錯誤の末に誕生したのがこの「黄金金時」。五郎島金時をスイートポテト仕立てにし、中にあんこを包んだお菓子です。
洋菓子のスイートポテトと和菓子のあんこを掛け合わせた遊び心にあふれるお菓子は、今ではすっかりお店の定番になりました。

 

■縁起の良さを感じさせる黄金色の小判型

 

「黄金金時」という商品名にも特別な思いが込められています。

由来は「金城霊澤」の伝説。
昔々、芋掘藤五郎という男が金澤神社近くの泉で芋を洗ったところ、泉の底から大量の砂金が湧いてきた…という伝説が金沢にはあり、「金沢」の地名もそこから名付けられたと言われています。
まさに、金沢の店が作った黄金色のお芋のお菓子にぴったりのエピソードですよね。

 

「みかん大福」の大ブーム、根底にあるものは?

■美味しさの秘密は、みかんを白あんでごく薄く包む技術。ジューシーさとお餅の食感の絶妙なバランスが生まれるのだそうです

 

『中越』さんの看板商品、みかんが丸ごと1個入った「まるごとみかん大福」。テレビでもたびたび紹介され、大きな話題になりました。

ブームが広がり、多くのお店で作られるようになったこの大福ですが、いまでも「中越さんのみかん大福が一番おいしい」と言って買い求めにくるリピーターが後を絶たないと言います。

「本当にありがたいことです」と土平さん。

単に目新しいというだけでは、こんなふうに人の心には響かないものです。
長年にわたって和菓子を作り続けてきたからこその細やかな気配りが、確かな美味しさを支えているのはもちろんのこと。
もうひとつ大きな決め手があるとしたら、それは土平さんの”お菓子屋さん”としての愛情が、お菓子に乗せてきちんと届いていることではないでしょうか。

あるとき、お店のコンセプトを尋ねられ、随分考えた末に「おいしさつくり、人つくり」と言葉にしたといいます。
愛情あふれる、ほんとうにぴったりの言葉だと思いました。

■パッケージも可愛い「黄金金時」。贈り物にぜひどうぞ。

 

 

<この商品はこちらのカタログに含まれています。>

金沢のギフトバコ<常温>
137 黄金金時





金沢のギフトバコ<冷蔵・冷凍>
138 まるごとみかん大福





金沢のギフトバコ<冷蔵・冷凍>
426 まるごとみかん大福大容量セット






和菓子処 中越
076-267-1893
石川県金沢市畝田東2-218
営/10:00~19:00
休/水曜
[Instagram]@nakagoshi.shop ※外部サイトに遷移します

 

じのもんライター:中嶋 美夏子

大学進学を機に金沢へ。おいしい食べ物と暮らしに根付く美意識に感動し、日々探求しているうちにいつの間にか十数年が経ってしまった。人々のなにげない日常が撮りたくて、ちょっとしたお出かけでもいつもカメラと一緒。能登からやってきた保護猫とふたり暮らし。