石川県と岐阜県にまたがる白山(はくさん)は、日本三霊山のひとつ。
標高2,702mの高さを誇りながら、初心者でも気軽に登山が楽しめる山としても人気です。
その白山を源にして流れる手取川がつくりだした『手取峡谷』へ行ってきました。
『手取峡谷』は『白山手取川ジオパーク』の一部。
石川県内にある大地の公園『白山手取川ジオパーク』は、2023(令和5)年5月24日にユネスコ世界ジオパークに正式認定されています。石川県民として誇らしい気持ちになりますね!
しかも『白山手取川ジオパーク』は、白山市全域だそうですよ!
地球規模で見るとほんの一部かもしれませんが、居住やプチおでかけの視点で見ると、なんと広いこと……
というわけで、今回は気軽に日帰りドライブとして、紅葉もおめあてに行ってきました。
■黄門橋から白山側を見た景色。峡谷ながらも、人々の暮らしがすぐそばに
『手取峡谷』は上流は対山橋から、下流は黄門橋まで約8kmに渡って続いています。
いくつかビュースポットがあるようですが、その中でも黄門橋と不老橋は整備されていて初心者でも行きやすいんです。
海側から見ると黄門橋が最も近い位置にあるので、まずは黄門橋へ。
橋近くの駐車場に車を停めて、黄門橋の上から見る手取川は川が青く、ちらほらと色付く木々とのコントラストが綺麗。
そして、短い橋でありながらかなり谷が深く、なかなかの高所です。
■黄門橋の駐車場にある案内・解説板は2つ。どちらも読みごたえたっぷり
案内・解説板のひとつには、
「江戸時代の紀行文にも紹介されており、その中では、水の勢いが強く、目もくらみ足が震えるほどの高さがある」
という記述が……(江戸時代は高門橋と書かれていたそうです)
黄門橋からの眺めを堪能したら、さらに上流へ向かって不老橋へ。
■不老橋から見る手取峡谷。さらに谷が深く狭くなりました
不老橋も駐車場が整備されているので、安心して車を停めて景色を楽しめます。
黄門橋から見る川の様子を思い出しながら見ると、岩が大きくなっていることや、甌穴(ポットホール)が見つけやすいことなど、気づきがちらほら。
川の上流といっても、車で数分の距離でこんなに違いが出るのかと思うと驚きです。
■峡谷の壁、川の中の岩を見るほどに、水と大地の力を思い知らされます
『白山手取川ジオパーク』は「山-川-海そして雪 いのちを育む水の旅」……つまり、水の循環がテーマと聞いていましたが、このふたつのスポットから水の旅とともに「石の旅」のワンシーンをふれた気持ちになりました。水の力、循環ってすごい。
(さらに上流には、とんでもなく大きな岩があるそうですよ!)
長い年月をかけて形成された自然美は、いつ見ても奥が深いものです。
そして、見るたびに「ああ、この景色」と不思議とホッとしますね。
どっしりと構えた大地の安定感とでもいうのでしょうか、数年程度ではほぼ変わらない不変さとでもいうのでしょうか。
そこに〈Furusato〉を感じられるのかもしれません。
橋の上で少しひんやりする空気を胸いっぱいに吸い込んで、澄んだ気持ちになりました。
手取峡谷(黄門橋/不老橋)
場所/石川県白山市吉野
※見学は自由ですが、安全に気をつけてご鑑賞ください
じのもんライター:西木 來白 東京からUターンし、現在は小松在住。編集・ライター歴が20年を超えたあたりで数えるのを止めた。仕事が楽しいが多忙続きで、電車に乗ると10分もしないうちに寝落ちるのが悩み。そんな我が身を見直し、オフでは癒しを求めている。趣味は旅行と地酒探し。 |