地域に根差す「堅豆腐」の歴史を伝える、豆乳味のかわいいお菓子
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地域に根差す「堅豆腐」の歴史を伝える、豆乳味のかわいいお菓子

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石川県白山市の「白山麓地域」は、日本三大名山のひとつ”霊峰白山”に抱かれた、豊かな自然と独自の伝統が息づくエリア。

ここで代々受け継がれてきた「堅豆腐」という伝統食をお菓子にアレンジした商品を販売する『瀬川屋』の瀬川さんにお話を伺いました。

 

■白山をイメージし、山のかたちに仕上げたショコラ。

 

長い歴史を持つ堅豆腐は、現代でも身近な存在

「堅豆腐」。その名の通り、とっても”堅い”豆腐です。

一般的に豆腐と言われて想像するプルプルとした感触とはかけ離れた、 水分量が少なく、ずっしりと身の詰まった質感が特徴。

堅豆腐の製法が白山麓地域に伝来したのは、1600年代のことと言われているのだそう。
つまり、江戸時代初期!驚くほど長い歴史を持つ、この地だけの伝統食です。

しかし、ここで暮らす人にとってその存在は過去のものではありません。
白山麓の人々の間で堅豆腐は、ごく普通の、身近な存在なのだと言います。

地域には代々受け継がれた伝統的な製法で堅豆腐を作るお店があり、 人々はその日の食卓に並ぶ料理の食材としてそれを買い求めます。

「頻繁ではありませんが、我が家でも日常的に食べています。自分はお刺身として刺身醤油で食べるのが好き」
と瀬川さん。

 

■浄土真宗の行事のひとつ「報恩講」で振る舞われる精進料理にも使われるなど、 特別な意味合いを持った食材でもあるのだそうです。

 

堅豆腐は、味わいも濃厚。 それもそのはず、一般的な豆腐の数倍の量の大豆を使って作られるのだそうです!

そんな大豆の甘みと豊かな風味をお菓子に仕上げたのが「堅どうふショコラ」と「堅どうふバターケーキ」。
堅豆腐に使用するのと同じ、濃厚な豆乳が使用されています。

「豆乳の風味を残しつつ、とにかく美味しさにはこだわりました」
と瀬川さん。
おしゃれなパッケージもあいまって、白山麓地域を代表するお土産として人気を博しています。

 

■「荒縄で縛っても崩れない」と言われてきた堅豆腐を、かわいいイラストに。

 

白山の恩恵に溢れるこの地を守り続けたい

夏でも残雪をまとい、その真っ白な雄姿が見る人の心を癒してくれる、霊峰白山。
そのふもとに広がる白山麓地域は、県内でも随一の積雪量を誇ります。

かつて、道路が整備されていない時代には、 長い期間を雪で閉ざされてしまっていたことでしょう。
そうした厳しい環境だからこそ、この珍しい豆腐は、
数百年もの時間を経てもなお地域に固有の文化として残っていると言われています。

なぜ堅豆腐を使用したお菓子の開発を?瀬川さんにお聞きすると、
「白山麓の豊かな自然や独自の歴史文化、美味しい食べ物などに惹かれ、毎年多くの人々がこの地を訪れます。しかし、ここの特産品はどれも日持ちがせず、お土産として持ち帰りにくいという課題がありました」
と、その背景についてお話してくださいました。

訪れる人々に、白山麓の思い出とともに手に取ってもらえるお土産を。
地域の人たちの想いが、この愛らしいお菓子には込められているのです。

「古くから信仰の対象とされてきた白山。ここは、その恩恵をいただきながら暮らすことができるかけがえのない地です。この地を未来へ残すため、この地に住まうわたしたちが力と知恵を振り絞らなければならないと感じています」

白山麓地域の明かりを消すことなく守り続けたいと語る瀬川さん。
魅力を発信するための挑戦が、これからも続きます。

 

■白山を目当てに、全国から登山客も多く訪れます。(写真提供:石川県観光連盟)

 

 

<この商品はこちらのカタログに含まれています。>

044 白山堅どうふお菓子セット

 

 

<じのもんオンラインショップでも販売中>

白山堅どうふお菓子セット

 

 


瀬川屋
076-255-5102
石川県白山市市原庚 20
営/9:00~17:00
休/日曜
[HP]https://segawaya.com/
[Instagram]@segawaya.shopselect

 

じのもんライター:中嶋 美夏子

大学進学を機に金沢へ。おいしい食べ物と暮らしに根付く美意識に感動し、日々探求しているうちにいつの間にか十数年が経ってしまった。人々のなにげない日常が撮りたくて、ちょっとしたお出かけでもいつもカメラと一緒。能登からやってきた保護猫とふたり暮らし。